Hold on, Hold out

The best thing is to lose your cool in public

ニューアルバムは「大人可愛い」

──新作すごく良かったです。これまでの「GAME」や「⊿」と比べると、アルバムの内容が実際の本人たちのキャラクターにとても近付いているように感じました。

あ~ちゃん それはあると思います。等身大というか。

かしゆか 今までのPerfumeは大人っぽい歌だったり、現実から離れた架空の世界の歌だったり、感情だけを表現したどうとでも捉えられる歌が多かったんですけど、今回は誰もが共感できそうな、たくさんの人たちが日常で経験していそうなことが具体的に歌詞になってるなと思いました。特にアルバム用のオリジナル曲はそういう印象が強いですね。

あ~ちゃん ちょっとずつ変化してきてると思います。昔の曲だったら、クールでスッとした歌い方や比喩表現が多い中に、ちょっとした部分に感情的な「愛してる」みたいな言葉があって、そこにすごくグッときていたんですが、最近は日常の出来事をイメージできる曲が多くなってきたので、実際の自分たちに近くなってきたなと感じます。

──それはどうしてだと思いますか?

あ~ちゃん 私たち、そろそろ大人になってきたから、中田(ヤスタカ)さんがそういう方向にチェンジしていってくれてるのかもしれないですね。まあ、ただ単に中田さんの中でそういうのが流行ってるだけかもしれないですけど(笑)。でもただの流行だとして、そこに私たちが乗っかれてるのはうれしいです。中田さんのことは本当に神だと思ってるので。いつでも「中田イズム」を信頼しています。

──「本人たちが大人になったから」ということですが、でも「Take me Take me」「Butterfly」「Kiss and Music」のような大人っぽい曲はなくなって、むしろ可愛らしい曲ばかりになりましたね。

あ~ちゃん そうですね。特に「⊿」の曲はだいぶ背伸びしてましたね。最近改めて「I still love U」のPVを観たんですけど、久しぶりに観たら恥ずかしくて(笑)。まだ若い女の子が精一杯大人っぽくしてるみたいで。もちろん、すっごくきれいに撮っていただいてるし素敵な作品なんですけど、映ってる3人がすごい「少女」って感じなんです。でも今はそうやって「大人っぽくしよう」なんて意識しなくても、もう22~23歳だし普通にしているだけで大人なんですよね(笑)。あのPVを観て「ああ、Perfumeはこんなふうに変化してるんだなあ」って気付かされました。

──確かに「⊿」からもう2年半も経ってますしね。

あ~ちゃん 今回のアルバムにはそういった変化が出てると思いますね。「可愛らしい曲が増えた」とは言っても、幼くなったんじゃなくて「大人可愛い」みたいな感じ。aikoさんみたいな、木村カエラさんみたいな、ああいう歳を重ねてる中で可愛さを出せる人に私はなりたいと思っています。

ユニゾンの曲が増えると苦労するんです

──Perfumeがどんどん変わっていくことを皆さんはどう感じていますか?

あ~ちゃん 私はうれしいです! 中田さんが私たちのことを意識してくれてるのもうれしいし、私たちに興味を持ってくれてることもうれしい。

──わはは! さすがに興味は持ってるでしょう(笑)。

あ~ちゃん そうかなー? 最近、なんかのタイミングで「あ~ちゃん」って呼ばれたんですよ。ビックリして。「えっ? 私の名前知ってるんだ!」って。

──知ってると思いますよ(笑)。


あ~ちゃん でも名前を言ってるのを聞いたことないんですよね。「のっち」って言ったことあるっけ?

のっち うーん、あんまりないですね。たまに名前で呼ばれると「あっ! 名前を言った!」って思います。

あ~ちゃん 思うよねー? そういうところで特別感を出せる人ってすごいよね。

のっち そうだね。何をしても特別なことに感じる。焼肉食べてるだけで……。

かしゆか 「ああっ! 焼肉食べてる!」ってなるよね(笑)。普通にみんながやってるようなことをするだけで不思議に見える。

あ~ちゃん そういうのうらやましいねー。中田さんが「かしゆか」って声に出したの聞いたことある?

かしゆか わかんない。そもそも人の名前を呼ばないよね。スタッフさんのことも名前で呼んでるの聞いたことないかな。マネージャーさんくらいだよね。「岡崎さん」って言ってるのだけは唯一よく聞く(笑)。

──でも、Perfumeが思ってる以上に中田さんはPerfumeのことを気にしているんじゃないかと思いますよ。雑誌「MARQUEE」のインタビューで、中田さんが「最近のPerfumeの声はすごくいい」って褒めてましたし。

あ~ちゃん ええっ! どんなことを言ってたんですか?

──「昔は『私の声をもっと使ってほしい』みたいな気持ちが感じられたけど、そういう競争心から解き放たれて声に一体感が出てきた。だから最近の3人の声は合わせるとすごくいいボーカルになる」みたいなことを言っていました。

のっち へえー!

あ~ちゃん うはー!(笑)

かしゆか 私たちの知らないところでそんなこと語ってるんだ(笑)。あっ、だからなんですかね、最近ユニゾンのパートが多いのって。

あ~ちゃん そうそう、ユニゾンがめっちゃ増えて、振り付けのバリエーションがなかなか増やせなくて大変なんだよね。

かしゆか それで私たちはちょっと困っちゃってる(笑)。両手の振りを付けられることが少なくなっちゃって。

──常に3人ともマイクを構えたまま踊らないといけないから。

かしゆか そうなんです。ビデオクリップでしか両手を使って踊れないんですよ。最初にまず、ビデオクリップのために一番理想的な振り付けを作るんですけど、テレビで歌うことになったら「あ、この振り付けできないんだ」ってなることがすごく多くて(笑)。その場で変えていかなきゃいけないから、「GLITTER」とかすごく苦労しました。

あ~ちゃん でもそうは言っても、中田さんが3人の声に特別な気持ちを持ってくれてるっていうのを知れたのは良かったです。愛情を感じます。うれしいです。

かしゆか うん、そんなこと知らなかったね。


カッコよければOK、そして全曲カッコいい

──でも確かに「歌声に余裕が出てきた」という中田さんの話はなるほどと思いました。Perfumeは昔よく「ボーカルディレクションで中田さんから『もっと感情を消して』『冷たく歌って』と言われて戸惑った」という話をしてましたけど、以前と比べて最近は感情を表に出して歌っているように聴こえます。

あ~ちゃん 前のアルバムくらいからレコーディングのときに「あまり気難しく考えないで楽しく歌おう」って意識を変えたのはあるんですけど。でもそれを中田さんに見抜かれてたって、恥ずかしいね(笑)。

かしゆか 意外と気付いてるんだねー(笑)。

のっち すごい! 面白い!

あ~ちゃん 声だけから感じ取ってくれたっていうのが本当にすごいなって思います。だって特に顔にも出してないし、そういう意見を言ったわけでもないのに。

かしゆか すっごい恥ずかしくなってくるー(笑)。

あ~ちゃん なんかやだー(笑)。

──アルバム用に作られた4曲はどれもボーカルのエフェクトが薄くて生声に近いですよね。特に「時の針」と「心のスポーツ」はソロパートがあるせいか、より生っぽく感じました。

あ~ちゃん エフェクトは薄くなってますね。私たちはあとで加工されると思って歌ってたので、できあがった曲を聴いて「わ、生だ!」ってビックリしました。しかも声を重ねるんだと思ってたらソロで。

のっち そう! 3人が一緒にユニゾンで歌うと思ってたよね。こっちの勝手な勘違いなんだけどさ(笑)。

あ~ちゃん そうやって中田さんの手のひらで踊らされてるんですかね(笑)。このボーカル、聴いていて結構ドキドキしますよね。かしゆかの「時の針」の歌い出しとか、すごいドキッとする(笑)。声にエフェクトがかかるのが当たり前だったから、あえてエフェクトをかけないっていう、そういう「Perfumeがいい意味でみんなの期待を裏切る」みたいな中田さんの押し引き、すごい好きです(笑)。

──エフェクトが薄くなって自分の声がそのまま使われてるのってうれしいものですか?

のっち どうだろう? 曲によって一番ベストなエフェクトのかけ方を毎回その場で決めていってるんで、その曲に対して一番いいエフェクトであれば、私はなんでもいいっちゃいいんですけどね。カッコよくなるんであればOK。そして全曲全部カッコいいし。でも、やっぱり「時の針」はちょっと恥ずかしかったです(笑)。あの曲はかしゆかのソロパートから始まるってのが良かったですね。聴くたびに「子供かっ!」ってツッコミたくなるんです(笑)。

──でもこれを聴いて、「声も大人になったんだな」って思いましたよ。

かしゆか えーっ! 本当ですか? びっくり!

のっち あははは(笑)。生声が聴けるっていうのは久々だから。

あ~ちゃん 「彼氏募集中」以来?

かしゆか いや、そんなに前じゃないでしょ(笑)。

あ~ちゃん 「Baby cruising Love」とか「Twinkle Snow Powdery Snow」なんかも、ソロで歌ってるところは3人の声の違いが結構わかるよね。中田さんって「絶対ここは大事!と思ってたところをあえて抜いちゃう!」みたいな抜き差しがうまいんだと思う。私たちも毎回心を揺さぶられています(笑)。

「edge」みたいな曲がなくてもライブできるよ!

──今回のアルバムには「GAME」や「edge」のようなヘビーで攻撃的な曲がなくなりましたね。


のっち 入ると思ってたよね。

かしゆか 最初にアルバムを作ろうって話になったときに、私たちからもリクエストしてたんですよ。

──やっぱり「GAME」や「edge」はワンマンライブでの見せ場の1曲になってましたしね。

かしゆか そういう遊び心がある曲って、アルバムの中の1曲だからこそできるんだと思ってたから、アルバムを作るなら入れてほしいなって言ってたんですよ。「FAKE IT」もシングルのカップリングだからできた曲だと思いますし。そしたら中田さんから「入ると決まってるシングル曲を並べてみると、シングルの曲が全部強いから、アルバムとしてのバランスをとろうと考えると、新しく作るのは強い曲じゃなかったんだよね」って言われたんです。でもアルバム全曲を通して聴いたら納得しました。「あ、確かになくていいかも!」って。

──シングル曲が多いから、ベストアルバム的な内容になるんじゃないかと予想していたんですが、聴いてみたらアルバム全体で1つの作品として面白いものになってますよね。

あ~ちゃん わあ、うれしい。中田さんがちょっと遊んでくれました。新しくミックスしなおした曲が2曲あって、「不自然なガール」もちょびっとだけアレンジが変わってるので、そういうところでアルバムならではの特別感が出てると思います。「edge」みたいな曲がなくてもライブできるよ!っていうところを、今度のツアーでは皆さんに見せていきたいですね。

──アリーナツアーは今回が初めてですね。

あ~ちゃん さいたまスーパーアリーナさんは会場を目一杯広げたスタジアムモードでやるので、すっごくたくさんの方に来ていただけると思います。あと、広島公演はグリーンアリーナなんですけど、あそこは広島に住んでた頃から本当に夢の会場だったんです。あのステージに立てる人って本当に指折り数えるくらいしかいないんです。だから自分たちもそこに立てるアーティストになったっていうのがすっごいうれしいですし、すっごい緊張しています。

──ワンマンライブは東京ドーム以来ですから、ファンの期待もかなり高まってると思いますよ。

あ~ちゃん 本当は年内にツアーをやりたかったんですが、今年はいろいろあってちょっと延びてしまって。ようやく皆さんに会いに行ける機会をいただけたので、しっかりリハーサルしてライブに臨みたいと思います。


タイトルを「JPN」にしちゃったからもう後には引けない

──最近は海外でも活動する機会が増えていますが、その活動を通して自分の中で変わったことはありますか?

あ~ちゃん いろいろ行かせていただきましたー。

かしゆか 東京ドームが終わってから本当に急に増えたね。マカオに行って、ロサンゼルスに行って、韓国に行って。目に見えて何か変わったことはまだないんですけど、海外にもPerfumeを知ってくれてる人がいるんだっていうことを改めて知ることができたので、今まで自分の中で考えていた枠にとらわれないで、もっと幅広く新しいことにも挑戦できるんだなっていうのは感じました。

──例えばどんなことに挑戦してみたいですか?

かしゆか まだ具体的には考えてないんですけど。何かあればお話ください!っていう感じです(笑)。

あ~ちゃん お仕事待ってます!(笑)

──「JPN」っていうタイトルから「世界進出を意識してるのかな」なんて思ったんですが。

かしゆか やっぱり、海外に行ったことが自分たちの意識に大きく影響を与えてるなと思いますね。次にどのタイミングで海外に行くことになるのかはわからないけど、そのときにお客さんが手に取るアルバムは何かって考えると、これになるのかなって。だって次のアルバムをいつ出すのかはまだ何も決まってませんからね。「JPN」っていうタイトルはわかりやすいし、「日本から来ました」っていうことをアピールできるかなって思ったんです。

──なんだかPerfumeが昔スペースシャワーTVでやっていた「グラミー賞への道」というコーナーが、リアルなものになってきたのを感じますね(笑)。

あ~ちゃん わあー、思いださせてくれますね(笑)。

のっち 懐かしいー(笑)。すごいぶっ飛んだコーナーでしたよね。

かしゆか あれは番組の方が用意してくださった企画だったんで、自分たちでは「グラミー賞ってどういう賞だろう?」みたいな感じだったんですけどね(笑)。

あ~ちゃん でもまあ「夢は大きく」だと思います。ランキングや賞が全てじゃないと思うんですけど、評価されてそういうのをいただけるのは本当にありがたいことだし、きっとお母さんたちもすごく喜んでくれるし。こういう賞っていうのは私たちだけに与えられるものじゃなくて、Perfumeを支えてくれてる皆さんへの賞でもあるから、そういうものをいただけるグループを目指すのは、1つの夢として持っておくのはいいかもしれませんね。

──今まで次々と夢を実現させてきたPerfumeだから、もう次に何が起こってもおかしくないなと思ってます。

あ~ちゃん 私たちのCDは日本でしか売られていないのに、海外に行ったら向こうの人が曲を知ってくれてて「どこで聴いてるんだろう?」ってびっくりしたんですよ。自分から知ろうとしないと知れない状況で、私たちのことを知りたいと思ってくれてる人がこんなにいるんだって感激して。だから今後はそういう人たちに向けてのリリースもしてみたいです。あちらではダウンロードが主流らしいんで配信とかでも。

──いいですね。

あ~ちゃん 「JPN」っていうタイトルにはそういう思い、夢、希望が込められてます。「世界に行けたらいいなあ、行きたいな、じゃあ行こうやよ! 行こっ!」みたいな感じ。アルバムタイトルにしちゃって、後には引けないようにして自分の首を絞めるというか(笑)、そうやって今まで言霊を信じ続けてきたので。

Perfumeフェスティバルをやってみたい

──これから新しくやってみたいことは何かありますか?

あ~ちゃん プロデュースをやってみたいですね。

──え!? 誰かほかのアーティストのですか?

あ~ちゃん いえ、ホットビューラーとかを作りたいんです。化粧品とか美容関係のものがすごく大好きなんですよ。性能が良くて、かわいいもの、「これがあったらいいのになー」ってものを形にしたいです。きっと女子はみんなそう思ってると思うんですよ。あとは靴も作ってみたい。

──それはいずれ実現できそうですね。

あ~ちゃん あとは自分たちが主催のフェスとか。Perfumeフェスやってみたいです。

──Perfumeフェスをやるとしたら、どんな人に来てもらいたいですか?

のっち えーっ! 内緒! 言いたくないです!(笑) 私の中でいつか本当に呼びたいと思ってる人がいるんですけど、これは実現するまで楽しみにしててください。

あ~ちゃん 私はマキシマム ザ ホルモンさんがいいです。

のっち ホルモンさんはマストで。あの人たちは本当にすごいから。

かしゆか 絶対楽しいよねー!

あ~ちゃん あのお客さんたちと「チョコレイト・ディスコ」をぶわーっ!みたいな。

のっち 腹ペコどもと一緒にね(笑)。

かしゆか わー、やばいやばい(笑)。あ、私はKREVAさんと一緒にステージに出たいです。

あ~ちゃん それめっちゃいい!

かしゆか KREVAさんは今まで「575」とか「Baby cruising Love」をライブでやったりカバーしてくれてたんですけど、同じライブイベントに出てもなかなか共演できなくて。もし私たちが主催するならKREVAさんと念願のコラボで、一緒に「575」を歌いたいです。

──豪華ですね(笑)。

あ~ちゃん あとは子供番組の歌を歌ってみたいですね。私たちのPVを観て泣きやむ子供がいるって話、すごくよく聞くんですよ。私、小さい子が大好きなのでそれがすっごくうれしくて。だったらNHKの「みんなのうた」みたいな歌を歌いたいなって。振り付けは小さい子が真似できるようなものにして。

──今回のアルバムだと「時の針」は「みんなのうた」で流れそうな曲調ですよね。

かしゆか うわー、今「みんなのうた」で流れてるところ想像しちゃった(笑)。(番組ナレーションの声マネをしながら)みんなのうた。

のっち (番組ナレーションの声マネをしながら)時の針。

かしゆか あの番組で流れる曲って意外と意味が深かったりしますよね。

あ~ちゃん 子供向けなのにたまにすっごい卑劣な感じの歌詞ありますよね。「殺してやった!」みたいな。びっくりする(笑)。

──じゃあ、ぜひ次は中田さんにそういう感じの曲をリクエストしてみてください(笑)。

のっち えっ! そっち!? 「殺す」のほう!?

あ~ちゃん 私たちは優しい歌がいいです(笑)。

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