“「ドームを経験したことで、アイデアを行動に移せるようになった」(あ~ちゃん)
前作『トライアングル』から2年4か月ぶりとなる4枚目のアルバム『JPN』を完成させたPerfume。前作が硬質なテクノサウンドを前面に出したクールなダンスアルバムだとすれば、今作は3人の生の歌声も生かした、キャッチーでポップな歌ものアルバムとなっている。初のドラマ主題歌『スパイス』や本人出演のCMソング『レーザービーム』や『ナチュラルに恋して』などのシングル曲とカップリング曲が9曲も収録された、近年ベストのような内容となったアルバムに「海外挑戦」を思わせるタイトルをつけた真意を聞いた。
■前作からは2年4か月も空いてしまいました。
のっち:私たちも早くツアーがしたかったので、ツアーをするためにも「早くアルバム出さないかな~」って思ってました(笑)。でも、すべては中田さん次第なので、1ファンとして、「まだかな~」って楽しみに待ってました。
■ようやくできあがったアルバムを聴いた感想は?
かしゆか:全部の曲がキラキラしてて、めちゃめちゃポップなんですよね。ちょっと悲しい歌詞でも、音がポジティブだったりするので、全体的に明るくて、前向きにさせてくれるアルバムだなって。
あ~ちゃん:私は最初、ブリブリだなって思って(笑)。なんでブリブリなのかを考えてみたら、シングルに入ってた曲が9曲も入ってるからなんですよね。でも、知ってる曲が多いのはいいことだし、1回聴いただけで心にとまる、印象に残るアルバムになったなって思います。
のっち:うわ、濃いな~って思いましたね。例えば、『不自然なガール』は2年も前の曲なので、あまりにも思い出が詰まり過ぎてて。
■例えば、どんなことを思い出しました?
のっち:私は東京ドームでのライブの風景を思い出しますね。ドームは、この2年4か月のあいだって区切らなくても、自分の人生のなかで、いちばん大きな経験だったと思うんですね。『ねぇ』を聴くと、アンコールで歌ったときの思い出がよみがえってくるし、『VOICE』を聴くと、あのときの緊張感まで思い出しちゃいますね(笑)。
かしゆか:ライブが終わったあと、DVDの映像を見ながら、3人でいろんな話もして。もともと、ドームが決まったときは、空間が広過ぎて怖いなって言ってたんですよ。でも、いろんなことを考えた結果、「3人だけでステージに立つ」っていうシンプルなところに落ち着いて。結果的には、いままでのPerfumeを変えずに、シンプルに見せられたのが良かったなっていう話をしたりしてて。
あ~ちゃん:ドームからはまだ1年しかたってないんですけど、ドームを経験したことで、いろんなアイデアが思い浮かんで、しかも、行動に移せるようになったんですよね。
■自分たち発信で動けるようになった?
のっち:そうですね。『GLITTER』のダンスコンテストもそうだし、今年の5月に広島の「ひろしまフラワーフェスティバル」に出させてもらったこともそうだし。
あ~ちゃん:広島の「ひろしまフラワーフェスティバル」は、昔、お客さんが全然いないなか、500円のTシャツで踊ったことがあったんですね。それは、私たちにとっては、できれば伏せておきたい、恥ずかしい過去だったんです。でも、ドームが終わったからには、もう行かにゃいけん! と思って。自分たちを試すっていう意味でも、あらためて、「ひろしまフラワーフェスティバル」に出演して、華やかなステージを見せたいって思った。いままでは自信がなくて、一歩踏み出せなかったところをいま、やっていけてると思います。それは、ほんとにドームをやった経験が大きいし、結成10周年という記念の日に力をもらって動けた1年だと思います。
「大人っぽく見せようという必死感がとれてきた」(のっち)■ドーム公演をへて、ご自身で感じる成長や変化もアルバムに反映されてますか?
かしゆか:かわいい曲を歌っても、作ってる感がなくなってきたなっていうのは感じてますね。アルバムに入ってる新曲は、シングル曲が強い分、柔らかくて優しい曲が多くなってる。クールな印象じゃなくて、自分たちの声が前面に出た曲が多いけど、作ったかわいらしさじゃない、自然体のよさが出てるなって思いますね。例えば、恋愛を心のスポーツに例えた『心のスポーツ』は、いまのPerfumeが歌うからこそ、くどくないかわいらしさが出てるんじゃないかなって思ってて。
■オートチューンが減ってるのは中田さん発信ですか?
かしゆか:そうですね。いつも、できあがって初めて知るんです。「え、このフレーズがソロになるんだ?」とか「意外とユニゾンなんだ?」とか。視聴者の方と変わらない目線で楽しませていただいてます(笑)。
■チャーミングな曲がある一方で、その歌声から大人っぽさも感じたりもしてます。
のっち:大人っぽく見せようという必死感がとれて、余裕が出てきてるんだと思います。アルバムを作る前は、『edge』や『GAME』みたいに、クールでカッコいい曲が欲しいなって思ってたんですけど、中田さんから「バキバキの曲を無理に入れ込まなくても、Perfumeはカッコいいんだよ」って言われてるような気がして。できあがったアルバムを聴いて、少しは大人になったんだな、成長したのかなって思ったりしました。
■地声を生かしたポップなメロディーの曲が増えてますよね。
あ~ちゃん:前作『トライアングル』は、“スン”としたアルバムだったと思うんですけど、今回は、本当に歌ものばかりのアルバムになってて。一部のサブカル好きの方からは「だいぶポップになっちゃいましたね」って残念そうに言われたりもしたんですけど、私はどっちもPerfumeだと思っていて。中田さんの楽曲をJ-POPのなかで勝負していくのがPerfumeだと思うし、どこにでもいける幅のひとつとして受け取って欲しいなって思っています。
■サビのメロがキャッチーでも、トラックはけっこう重めでエッジーなサウンドになってますけどね。
あ~ちゃん:そうなんですよね。ただ、サビが鬼キャッチーだっていうところで、ポップさが増してるんだと思います。そういう意味では、いままで、Perfumeを知ってるけど聴いたことがないっていう方にも聴きやすい1枚になってると思うし、テレビで見たことあるけど興味ないっていう人にも聴いてもらえるといいなって思いますね。
「(世界に)行きたい気持ちが強く出てるってことです(笑)」(かしゆか)
■アルバムのタイトル『JPN』はどうやって決めたんですか?
かしゆか:中田さんとタイトル決めの食事会があったんですけど、いままでにマカオやロスでライブをさせてもらったので、「もっと海外に行ってみたい」っていう話をして。
■この夏には、アメリカ映画「カーズ2」の劇中で『ポリリズム』が使用されてましたね。
かしゆか:ずっと大切に歌ってきた曲なんですけど、自分たちがなにも言ってないところで評価されて、映画に使っていただけたことがすごくうれしくて。あらためて、この曲の力を感じると同時に、Perfumeをまた違う世界に連れてってくれたなっていう思いがあって。「カーズ2」が決まったおかげでロスに行けて、ロスに行ったことで、ロスにもPerfumeのファンの方がいることを知れた。あの映画が、世界の人たちにもっと知って欲しいって思うきっかけのひとつになってますね。
■では、このアルバムを携えて、世界に進出すると考えていい?
かしゆか:行きたい気持ちが強く出てるってことです(笑)。
あ~ちゃん:海外の方にも日本の音楽がカッコいいんだよっていうことを知ってもらえるきっかけに、自分たちがなりたいなと思ってて。日本代表のグループですっていう希望と夢を込めたタイトルになってます。
のっち:いままでもぼんやりとは考えてたんですけど、ドームが終わって、映画「カーズ2」もあった、いまのタイミングで現実を帯びてきたというか。「ドームをやろう」って言ったときみたいな自分たちへの挑戦という気持ちも込められてますね。
あ~ちゃん:でも、だからといって、日本で活動しなくなるっていうわけではなくて……。
■日本ではアリーナツアーが決定してますね。
のっち:ドーム以来のワンマンライブで、ツアーからは2年以上がたっているので、みなさんと一緒に楽しみたいなという所存でございます!
あ~ちゃん:結成10周年の記念の日に、みなさんに集まっていただいたので、次は私たちが会いに行く番だと思って。東京ドームで見せたショーを日本全国のみなさんにも見ていただきたいと思うし、このアルバムを聴いて、いろんな想像を膨らませていて欲しいですね。
かしゆか:いままでみたいな距離感は忘れずに、Perfumeだからできる新しいことにも挑戦したいですね。みんなで笑顔になれる楽しい空間を作れたらいいなと思うし、もう楽しみで楽しみでしょうがないです。
あ~ちゃん:なんか、3人で飛んだりしたいよね。
■ワイヤーアクションがあるって書いていいですか?
あ~ちゃん:え? ……あ、うん……。
かしゆか:「3人で飛ぶ」のあとに「かも(笑)」とつけといてください(笑)。
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